新たな局面を迎えるマネロン対策

週刊金融財政事情2024.4.16号の特集「新たな局面を迎えるマネロン対策」において、あずさ監査法人は「24年3月対応は『終わり』ではなく『始まり』」と題する記事を寄稿しました。

週刊金融財政事情のマネロン特集記事への寄稿「24年3月対応は『終わり』ではなく『始まり』」

24年3月対応は「終わり」ではなく「始まり」

継続的・組織的な実効性確保の推進がカギ

金融機関のマネロン対策に関して、当局の要請に基づく2024年3月末を期限とする体制整備は一定のメドが立ったといわれていますが、FATF第5次相互審査も視野に入れると、今後ますます実効性の確保が求められます。

たとえば、24年3月末対応として、金融機関は主に規定整備に注力してきました。ただし、そのような規定を踏まえて、現場レベルが真にリスクに応じた適切な対応ができる態勢となっているかという観点では、まだまだ取り組むべきことがあります。具体的な手順が整理されていない、わかりにくい、といった状況は、現場でのミスや不徹底を招きやすく、このような場合、海外では理解しやすい形で規程整備されていないガバナンス上の不備として指摘されることもあります。

FATF対応という文脈だけではなく、わが国の金融機関が、金融犯罪に対していかに脆弱であるかといったことにも留意する必要があります。特殊詐欺の被害は深刻な状況にあり、金融機関として、今そこにある脅威と向き合い、闘うことが求められています。金融機関が、顧客を金融犯罪から守れない、顧客の預金口座を安全に維持できないとすれば、最も基本的な社会的な義務を怠っており、それにより金融機関の存在意義自体が問われていると言えます。

今後ますますマネロン対策の実効性確保が求められることになります。客観的な情報に基づく現状把握能力、課題抽出力、改善提言力の発揮が期待され、そのために必要な専門性、人材等のリソースの一層の確保・活用が求められます。また、テクノロジーの活用と、官民・民民の連携も重要となります。

寄稿の全文は、添付のPDFをご覧ください。

執筆者

あずさ監査法人
金融統轄事業部
マネージング・ディレクター 山﨑 千春

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