仲介者からの未収保険料(IFRS第17号及びIFRS第9号)-IFRS-ICニュース

IFRS解釈指針委員会ニュース -「仲介者からの未収保険料(IFRS第17号及びIFRS第9号)」については、2023年10月のIASB会議において審議された内容を更新しています。

IFRS解釈指針委員会ニュース -「仲介者からの未収保険料(IFRS第17号及びIFRS第9号)」については、2023年10月のIASB会議において審議された内容を更新しています。

概要

委員会は、以下の事例において、保険契約の発行者(保険者)は、仲介者からの未収保険料がIFRS第17号の保険契約の境界線内の将来キャッシュ・フローに含まれるためIFRS第17号の保険契約の一部として会計処理すべきか、あるいはIFRS第9号を適用して別個の金融資産として会計処理すべきかについて質問を受け取りました。

  • 仲介者は、保険者と保険契約者の間の保険契約を仲介する。保険契約者は保険料を仲介者に支払うが、保険者は仲介者から保険料をまだ受け取っていない。
  • 保険契約者が仲介者に保険料を支払った時点で、保険契約者は保険契約に基づく義務から解放され、保険者は保険契約者に対して保険契約サービスを提供する義務を負う。
  • 保険者は、仲介者が保険料の支払を行わない場合に、保険契約者から保険料を回収する権利や、保険契約を解除する権利を有していない。

ステータス

委員会は、以下の検討を行いました。

IFRS第17号B65項は、保険契約者から直接受領する保険料と仲介者から受領する保険料を区別していないため、仲介者を介して受領する保険料は、保険契約グループの測定に含まれる。

IFRS第17号は保険契約の境界線内に含まれる将来キャッシュ・フローが保険契約グループの測定から除外されるのは、将来キャッシュ・フローが現金で回収又は決済された場合のみであるかについて言及していない。したがって、保険者はいつの時点でキャッシュ・フローが保険契約グループの測定から除外されるのかに関して、以下のいずれかを会計方針として策定し、適用する。

  • 保険料が現金で回収又は決済された時
  • 保険契約者が保険契約に基づく義務から解放されたとき

予想信用損失に関して、IFRS第9号とIFRS第17号はそれぞれ異なる要求事項を設けているが、適用する会計方針に応じて、IFRS第9号またはIFRS第17号のいずれかを未収保険料に適用する。

以上より、委員会は、効率的に対処できる狭い範囲のプロジェクトとならないことから、本件に対処するための基準設定プロジェクトを作業計画(アジェンダ)には追加しないことを決定しました。

本アジェンダ決定の内容は、IASBの2023年10月の会議を経て確定しました。アジェンダ決定の詳細についてはASBJのサイトに公開されている、IFRIC Update(2023年9月)への補遺をご参照ください。

その後の検討状況

委員会は、2023年9月の会議で、2023年3月に公表された暫定的なアジェンダ決定に寄せられたフィードバックを検討し(上記の委員会の暫定決定参照)、アジェンダ決定を確定させる結論に達しました。本アジェンダ決定の内容は、IASBの2023年10月の会議で検討されたうえ、IASBが反対しなければ、IFRIC Update(2023年9月)の補遺として同月に公表される予定です。

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