景気見通し:リセッションに備えるエネルギー業界のCEO

エネルギー業界のCEOの多くが、今後1年以内にリセッション(景気後退)入りする可能性が高いと考えています。

サプライチェーンを分散させる措置を講じている、あるいは検討しているなど、リセッションの影響緩和に向けてCEOはさまざまに準備を進めているものの、その多くは経済全般、エネルギー業界および自社の今後3年間の成長見通しについて楽観的な見方をしているとも回答しています。

テクノロジー

エネルギー業界のCEOは、今後3年間の企業成長に対する最大のリスクとして「ディスラプティブ・テクノロジー(最先端技術/破壊的技術)」を挙げました。このディスラプティブ・テクノロジーに対する懸念から、デジタル戦略の検討に慎重なCEOもいます。

また、CEOは、デジタル化の推進として新技術の導入に向けた投資拡大を検討することや、サイバー攻撃の脅威へ備えることも求められています。

人材

エネルギー業界のCEOは、今後6ヵ月以内に従業員数を削減することを検討しており、景気低迷によって雇用に短期的な変化が生じることが考えられます。労働市場においては長期的な構造変化が見られ、労働力不足が続くなか、企業は人材の獲得・維持に向け、あらゆる対策を講じる必要があります。

また、勤務形態に関しても、従業員の高いパフォーマンスを維持するために、環境変化に応じた対策を検討・実施しなければなりません。

ESGに対する要求と課題

エネルギー業界のCEOは、企業のESG課題に関する報告やその透明性の向上に関して、ステークホルダーからの要求が高まっていると答えています。ESGパフォーマンスをステークホルダーに報告するうえでの最大の課題としては、説得力のあるESGストーリーの説明が挙げられています。

ESGへの取組みについては、ステークホルダーからだけでなく、既存および将来の従業員からの期待も高まっており、遅滞なく継続的に取り組むことが重要です。

エネルギー業界のCEOの優先事項

多くのエネルギー企業が、エネルギートランジションに焦点を当て、事業の脱炭素化に向けた計画の立案や実装に着手することでしょう。CEOは、テクノロジーおよび人材への投資を視野に入れ、自社のESGパフォーマンスをステークホルダーに効果的に伝えるために、今こそ行動を起こす必要があります。

英語コンテンツ(原文)

2022 Global Energy CEO Outlook

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