会計・監査アップデート 

「会計・監査アップデート」では、毎号、米国の会計・監査に関する基準やその他の動きで、在米日系企業の皆様に関心があるかと思われる事柄に関する最新情報を提供しています。詳細は、当社 Department of Professional Practice発行の 『Defining Issues』 をご参照ください。

 

ご質問・お問い合わせはロサンゼルス事務所の前川武俊(213-955-8331; tmaekawa@kpmg.com)またはアトランタ 事務所の日柳真一(404-222-7611; skusanagi@kpmg.com)、までご連絡ください。

 

FASB-ASU案「公開企業(Public Business Entity)の定義」を公表

FASBは、2013年8月7日に、U.S. GAAP全体で使用されている公開企業の定義を一本化し、「非公開企業の意思決定フレームワーク:非公開企業の財務会計及び報告の検討に関するガイダンス」の最終版が公表された後にその適用範囲から除外される企業の種類を明示する、会計基準更新書(Accounting Standards Update, ASU)案「公開企業の定義」を公表しました。このASU案における定義は、FASB, 非公開企業審議会(Private Company Council, PCC)、及び発生問題専門委員会(Emerging Issues Task Force, EITF)によって、今後の会計及び報告に関するガイダンスの適用範囲を策定する際に使用されることになります。このASU案は、この公開企業の定義を使用する最初のASUから適用されます。

 

 

SEC-ブローカー・ディーラーの報告に関する規則の最終的な改訂を公表

SECは、2013年7月30日に、独立した監査の規定の強化及びブローカー・ディーラーの保護預り業務(custody practice)の監督の強化を目的とするブローカー・ディーラーの報告に関するSEC規則の最終的な改訂を公表しました。この改訂は、特に顧客資産の保護預り業務を行うブローカー・ディーラーに重要な影響を与えるものですが、すべてのブローカー・ディーラーに何らかの影響があると考えられています。

 

ブローカー・ディーラーは、2014年6月1日以降終了する年次会計年度から、現行のSEC規則によって義務付けられている年度の監査済財務諸表及び補足明細書に加え、新しい2種類の報告書(コンプライアンス報告書または免除報告書(Exemption Report))のいずれかを提出することを義務付けられます。内部統制に関する補足報告書の提出は要求されなくなります。さらに、最終的な改訂は、規制上の審査プロセスを効率化するために、独立会計事務所(独立監査人)がSEC規則17a-5に基づく監査報告書を裏付ける監査調書をSEC及び指定された審査機関(examining authority)に対して公開し、関連する指摘事項について個々の審査スタッフと討議することについて、決済を行うブローカー・ディーラー及びキャリーイング・ブローカー・ディーラーの同意を義務付けるとしています。これに関連して、ブローカー・ディーラーは、2013年12月10日までに、ブローカー・ディーラーの独立会計事務所及びその監査調書へのアクセスを認めることの確認を含む、独立登録会計事務所の任命状を提出しなければならなりません。また、すべての決済を行うブローカー・ディーラー及びキャリーイング・ブローカー・ディーラーは、2013年12月31日以降終了する四半期から、顧客の資産及び顧客以外の資産の保護預り業務を行っているか否か、また行っている場合はどのように資産を管理しているかという点に関する情報を記載した新しいフォーム(Form Custody)の提出を義務付けられることとなります。

 

 

PCAOB-監査報告書を強化するための2つの監査基準案を公表

PCAOBは、監査報告書を投資家にとって目的適合性の高いものとするため、監査報告モデルを強化することを目的として2つの新しい基準案を提案しました。これらの監査基準案は以下を義務付けています。

 

(1) 特に重要な監査事項(critical audit matters)の監査報告書における報告

(2) 監査報告書への新しい要素の追加、及び一部の標準化された文言の改善

(3) 年次報告書(すなわちForm 10-K)に含まれる財務諸表以外のその他の記載内容に関連する追加的な手続の実施

 

新しい基準案及び関連する改訂案は、2015年12月15日以降開始する年次会計年度の財務諸表監査から適用することが提案されています(ただし、SECの承認手続を経る必要があります)。

 

 

FASB及びPCC-変動持分事業体の連結ガイダンスの任意適用除外を提案

FASB及び非公開企業審議会(Private Company Council, PCC)は、2013年8月22日に、会計基準更新書(Accounting Standards Update, ASU)案「変動持分事業体(Variable Interest Entity, VIE)のガイダンスの共通支配下のリース契約に対する適用」を公表しました。このASU案は、VIEの連結のガイダンスを共通支配下のリース契約に適用しないとする代替的な処理を、U.S. GAAPに基づく財務諸表を公表する非公開企業に認めるものです。このASU案が承認された場合、リースの借手(lessee)となる非公開企業と関連会社とのオフバランスシート・リース契約の締結が容易になる予定です。

 

本ASU案によれば、このガイダンスは、公開企業、非営利企業、及び特定の会計ガイダンスの対象となる従業員給付制度を除き、すべての企業に適用する予定です。

 

 

EITF-2つのコンセンサス案の公表に合意

2013年9月13日に開催されたFASBのEITF会議において、EITFは、3つの論点について討議し、以下2つのコンセンサス案を公表することに合意しました。

 

  •  権利確定に必要な勤務期間の後で充足された業績目標は、業績条件かまたは報酬の付与日における公正価値に影響を与える条件かの判定(EITF論点13-D)
  •  複合金融商品の主契約は負債または資本のどちらに類似しているかの判定(EITF論点13-G)

 

 

FASB/IASB-金融商品の減損、分類及び測定に関する再審議を開始

2013年9月17日及び9月18日に開催されたFASB/IASB合同会議において、FASBは、金融商品の減損に関する公開草案のいくつかの論点について暫定的に合意し、FASB/IASB(以下、両ボード)は、分類及び測定に関する公開草案のいくつかの論点について暫定的に合意しました。減損に関する暫定合意は、期待信用損失の測定、貨幣の時間価値、及び予測策定のための将来評価における適用ガイダンスに関連します。分類及び測定に関する暫定合意は、元本及び利息のみという条件、具体的には、元本の意味、利息の意味、及び返済と他の偶発的な特徴に関連します。

 

 

SEC-報酬比率の開示規則を提案

SECは、発行企業に以下の開示を義務付ける規則案に対するコメント募集を公表しました。

(1) CEOを除く全従業員の年間賃金総額の中央値

(2) CEOの年間報酬総額

(3) CEOの年間報酬総額に対する全従業員の年間賃金総額の中央値の比率

 

提案どおりに適用された場合、これらの規則は、新興企業、小規模報告企業及び外国登録企業を除くすべての発行企業、及び役員報酬の開示を義務付けられているSECへの書類提出(例:Form10-K及び議決権行使関連書類(proxy statements)による年次報告書)に適用されることになります。

 

 

譲渡資産の満期日を期限とするレポ取引に関する決定を撤回

FASBは、2013年5月の決定を撤回し、譲渡資産の満期日を期限とする買戻契約(レポ取引)を担保付借入として会計処理することを義務付ける暫定的な決定をしました。FASBはまた、「実質的に同じ(substantially the same)」の意味、買戻契約による資金調達、及び新しい開示事項についても暫定的に決定しました。

 

 

資産担保証券の発行者に信用リスクの一部保持を義務付ける規則案の改訂

連邦政府監督当局は、2013年8月28日、資産担保証券(asset-backed securities, ABS)の発行者に信用リスクの一部保持を義務付ける規則案についてコメントを募集するため同規則案を再公表しました。一般に、改訂案は、特定の適用除外要件を満たしている場合を除き、金融資産のスポンサーに対し、発行したABSの信用リスク総額の少なくとも5%と同等の経済的持分を保持することを義務付けています。

 

この改訂案は、同規則案が2011年に公表された際に利害関係者から寄せられた懸念事項に対応し、適格住宅ローンの定義、保持する信用リスクの測定、リスク保有の選択肢、及びリスク移転が制限される期限などの点を修正しています。