会計・監査アップデート 

「会計・監査アップデート」では、毎号、米国の会計・監査に関する基準やその他の動きで、在米日系企業の皆様に関心があるかと思われる事柄に関する最新情報を提供しています。詳細は、当社 Department of Professional Practice発行の 『Defining Issues』 をご参照ください。

 

 ご質問・お問い合わせはロサンゼルス事務所の前川武俊(213-955-8331; tmaekawa@kpmg.com)またはアトランタ事務所の日柳真一(404-222-7611; skusanagi@kpmg.com)、までご連絡ください。

 

財務役員国際組織による財務報告論点会議

財務役員国際組織(Financial Executives International, FEI)が2012年11月12-13日に開催した財務報告論点会議で、主にFASBとIASBの合同プロジェクト、SEC及びPCAOBの動向、並びにその他の会計及び財務報告に関するトピックスに焦点が当てられました。また、SEC、FASB、IASB、産業界及び会計事務所からの代表者により構成されたパネリストがスピーチを行い、会議参加者(財務諸表作成者、財務諸表利用者及び監査人を含む)からの質問に回答しました。

 

 

米司法省及びSEC-連邦海外腐敗行為防止法に関するガイドを公表

2012年11月に米司法省(U.S. Department of Justice, DOJ)の犯罪部及びSECの法執行部は、「連邦海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act, FCPA)のリソースガイド」を公表しました。

 

この120ページのガイドは、以下を含むFCPAの重要な規定に関するDOJ及びSECの考え方に関する詳細な情報を含んでいます。

 

  • FCPAの賄賂禁止規定(anti-bribery provision)及び経理規定(accounting provision)の対象となる者及び適用範囲
  • 外国公務員(foreign official)の定義
  • 適切及び不適切な贈答品、旅行、及び交際費の内容
  • 「円滑化のための支払(facilitating payments)」の性質
  • 買収、合併における引継債務の仕組み
  • 有効な企業コンプライアンス・プログラムの特徴
  • FCPA違反に関する潜在的影響、及び適用可能な民事上または刑事上の解決策

 

このガイドは平易な英語で書かれており、FCPAの規定及び定義を説明する仮想の事実状況を含む例示が含まれています。このガイドはまた、FCPAリスクを軽減するための実務上の提案も含んでいます。

 

このガイドで取り上げる項目のうち、特に会計士及び監査人に関連するものには、FCPAの経理規定、2002年サーベインズ・オクスレー(Sarbanes-Oxley)法の該当する部分、及び1934年証券取引法第10A条に基づく監査人の義務等があります。

 

 

IASB-金融商品の分類及び測定に関する限定的な改訂に関する公開草案を公表

IASBは、2012年11月28日に、IFRS第9号「金融商品」の金融資産と金融負債の分類及び測定に関連する限定的な改訂を提案する公開草案を公表しました。IASBは、限定的な範囲における適用上の論点に対処し、金融商品の分類及び測定に関するIASB及びFASBのモデル間の主要な差異を減らし、保険契約負債の会計処理に関する暫定合意との整合性を検討するために今回の改訂を提案することを決定しました。下記のDefining Issuesは、IASBの公開草案で提案されている重要な改訂について解説して、分類及び測定に関するIASBのモデル案とFASBの暫定モデルとを比較しています。

 

 

FASB-非公開企業審議会による最初の会議の開催

非公開企業審議会(Private Company Council, PCC)は、2012年12月6日に初めて公開会議を開催し、当初のアジェンダ・プロジェクトとして検討するために4つの分野を調査することをFASBスタッフへ依頼しました。PCCとFASBはまた、U.S. GAAPに基づく財務諸表を作成する非公開企業向けに、U.S. GAAPの例外規定を設けるのかまたはU.S. GAAPを部分的に変更するのか否かの判断に際して、PCC及びFASBが適用する要件についてのFASBスタッフが提案したディスカッション・ペーパーに寄せられたコメントについて討議しました。

 

 

最近のSEC及びPCAOBの動向に関する2012年AICPA全国会議

2012年12月3-5日に開催されたSEC及びPCAOBの動向に関するAICPA全国会議(AICPA Conference on SEC and PCAOB Developments)で、SEC、PCAOB、FASB、IASB、CAQ及びAICPAの代表者は、市場の効率性のために必要となる有用で信頼性のある情報を投資家に提供することにより会計士が果たす、資本形成における重要な役割について討議しました。また、SEC登録企業と監査人に影響を与える、以下を含む最も重要な会計上及び報告上の論点について討議しました。

 

  • 米国におけるIFRSの適用
  • 透明性のある開示の提供に関連する財務諸表作成者に対する所見及び助言
  • ファイリングのSECによるレビュープロセス
  • 登録企業のファイリングのレビューによる所見の報告
  • 財務報告に関する内部統制
  • 監査の品質及び監査委員会の役割
  • 会計及び監査基準設定者の優先事項

 

 

FASB/IASB-収益認識プロジェクト:契約コスト、取引価格の配分、及び売上ベースのロイヤルティに関する暫定合意

2012年12月17 日に開催されたFASB/IASB合同会議において、両ボードは、契約獲得コスト、取引価格の配分、知的財産のライセンスに係る収益認識累計額の制限、及び特定の契約の束に対する提案の適用について暫定的に合意しました。

 

 

FASB-金融資産に係る信用損失の認識に関するモデルを提案

FASBは、2012年12月20日に、純利益を通じて公正価値で測定する(FV-NI)金融資産以外の金融資産に係る信用の毀損を企業が認識する方法を変更することとなる、会計基準更新書(Accounting Standards Update, ASU)案を公表しました。FASBの減損モデル案は、より適時の信用損失の認識につながること、及び信用リスクについてより透明性を高めることを目的としています。FASBの減損モデル案は、回収が見込まれない契約上のキャッシュフローに関する企業の現時点の見積りを反映するという、予想損失の測定に関する単一の測定目的に基づいています。下記のDefining Issues はまた、FASBの減損モデル案について説明し、FASBの減損モデル案とIASBの暫定減損モデルの重要な規定を比較しています。

 

 

FASB-非公開企業の公正価値に関する開示の明確化についてのASU案を公表

FASBは、2013年1月7日に、非公開企業及び非営利組織に限定した公正価値に関する開示の免除の範囲及びその適用範囲を明確化するASU案を公表しました。このASU案は、ASU第2011-04号の趣旨に反して一部の非公開企業がこの免除規定の対象とならない可能性に関する利害関係者の懸念に対処するものです。このASU案は、2012年12月31日を年次報告日とする財務諸表から適用される予定です。

 

 

EITF-2つの最終コンセンサスに合意

2013年1月17日に開催されたFASBのEITF会議において、EITFは、以下2つの論点について最終コンセンサスに至りました。

 

  • 特定の認識中止事象に関する為替換算調整勘定の会計処理(EITF論点11-A)
  • 連帯債務契約の会計処理(EITF論点12-D)

 

EITFはまた、以下2つの論点に関するコンセンサス案に至りました。

 

  • ヘッジ会計目的で使用されるベンチマーク金利へのフェデラル・ファンド金利の追加(EITF論点13-A)
  • 繰越欠損金が未認識税務ベネフィットの表示に与える影響(EITF論点13-C)

 

さらに、EITFは以下に関する会計処理について討議しました。

 

  • 非営利組織:関係会社から提供される人材サービス(EITF論点12-B)
  • プッシュ・ダウンによる会計処理の適用範囲及び適用に関するガイダンス(EITF論点12-F)
  • 公共団体から民間企業へのサービス委譲契約の会計処理(EITF論点12-H)

 

FASBは、最終コンセンサス及びコンセンサス案を、それぞれ最終基準書または公開草案として公表する前に承認する必要があります。

 

 

FASB-ASU案「資産を買い戻す先渡契約による譲渡に係る有効な支配及び買戻契約による資金調達の会計処理」を公表

FASBは、2012年1月15日に、譲渡資産の満期日を期限とする買戻契約の会計処理を変更する会計基準更新書(Accounting Standards Update, ASU)案、「資産を買い戻す先渡契約による譲渡に係る有効な支配及び買戻契約による資金調達の会計処理」を公表しました。現行のガイダンスでは、譲渡資産の満期日を期限とする買戻契約は売却処理の要件を満たす可能性があるものの、このASU案は、これらの契約を担保付借入として会計処理することを要求しています。

 

 

FASB/IASB-リース要素に関する暫定合意

2013年1月30日に開催されたFASB/IASBの合同会議で、両ボードは、複数の原資産を含むリース契約における別個のリース要素の企業(貸手または借手)による識別方法及び会計処理に関して暫定合意に達しました。また、両ボードは、再公開草案を2013年第1四半期末頃に公表して、2013年下半期中にこの再公開草案の再審議を開始する予定です。